スラウェシ観光情報

まずは州都:マカッサル市内


ウジュンパンダン(ロッテルダム)要塞 Benteng Ujung Pandang (Fort Rotterdam)

マカッサル市内の海岸沿いに石垣を構えてそびえるウジュンパンダン要塞は、1545年に当時この地方を治めていたゴワ王国のイマリガウ・ダエン・ボント・カラエン・ラキウン王(別名トゥニパランガ・ウラウェン王)により建てられました。ゴワ王国は全部で17体の要塞を造りましたが、1667年に植民地化を図るオランダとの戦いに敗れ、この要塞だけが残存しています。マカッサル市の南部にあるソンバオプ(Somba Opu)公園には、オランダに破壊された要塞の残骸があります。

ウジュンパンダン要塞は、ゴワ王国と友好関係にあったポルトガル風の四角形の建築スタイルをとっています。16-17世紀のヨーロッパの建築物と同様、粘土で作られており、ゴワ王国の紋章の海亀を象った形をしています。

オランダ植民地時代、この要塞はロッテルダム要塞という名で再興され、植民地支配の行政や商業の中心となりました。また日本占領時代には、熱帯農業や言語文化の研究センターとなり、当時の建物も残っています。

現在、ウジュンパンダン要塞は歴史遺産としてだけではなく、地域の文化センターとしての役割も果たしています。要塞内には国立博物館があり、南スラウェシで発見された様々な文化遺産、古文書、彫像、陶器、各種族の伝統衣装、ブギス族の農事暦などが展示されています。
 

マンダラの塔 Monumen Mandala

マンダラの塔は、1966年に西イリアンを解放したマンダラ師団の活躍に因んで1995年11月に建てられたものです。首都ジャカルタの独立記念塔(モナス)を思わせる形をしていますが、将来はインドネシア東部地域の文化芸能の公演施設を併設する計画があるようです。
 

イスラミック・センター(アル・マルカス・アル・イスラム・モスク) Mesjid Al-Markas Al-Islami

在留外国人の間で「イスラミック・センター」の名で知られるアル・マルカス・アル・イスラム・モスクは、マカッサル市のほぼ中心部に位置し、インドネシア東部地域で最大の収容人員を誇ります(1995年12月に開所)。

イスラム建築の特徴に土着の伝統的要素を組み合わせた近代的なモスクで、幾何学的な外観の美しい建物です。単にイスラム教徒の礼拝の場所としてだけではなく、教育、社会・文化活動センターとしても機能しています。毎週金曜日のお昼の礼拝や断食明け礼拝などには多数の信者が集まり、かなりの賑わいとなります。 


 タロの王族の墓 Makam Kuno Raja-Raja Tallo

 タロの王族の墓はマカッサル市北部、タロ川河口近くの海岸付近にあります。様々な形態の778体の墓が一箇所に存在し、17?18世紀のタロ王国の王族が奉られています。タロ王国の要塞の跡も偲べます。タロ王国の領域は当初ゴワ王国の一部でしたが、ゴワ王国の王位を狙って二人の王子が争い、王位に就けなかった王子がタロ王国として分かれたと伝えられます。この故事から「王は二人でも人民は一つ」という諺が生まれたそうです。

 

パオテレ港 Pelabuhan Paotere
 
 マカッサル族、ブギス族、マンダール族は航海術に長けた種族として知られています。彼らは何百年も前から西はアフリカのマダガスカル、南はオーストラリア、そしてアジア太平洋の島々を縦横無尽に航海してきました。戦時でも平時でも、彼らは夜空の星を道標に、雲の動きや形態から風向きを予想し、海流や海の深さ、珊瑚礁の水域などを見極めながら航海を続けました。
 パオテレ港に停泊する帆船の姿からそうした先人の姿を偲ぶことができます。パオテレ港には現在も各地からの帆船が行き交い、小さい帆船からフィニシ(Pinisi)・ランボ(Lambo)という名の大型帆船まで見られます。
 停泊する帆船のマストの列、その横に見える海岸沿いのモスクや民家、船荷の上げ下ろしで働く人々、そして海に浮かぶ様々な小舟。マカッサルの夕日を浴びて様々な色に映えるこれらの光景は一見の価値ありです。
 

 ディポネゴロ王子の墓 Kuburan Pangeran Diponegoro

 ディポネゴロ王子は、ジョグジャカルタ王家のスルタン・ハメンクブウォノ三世の子息で、1825〜1830年にジャワでオランダと戦った英雄として知られています。王子は、オランダ植民地政府が実施した税金の引上げや不当な土地所有制度を拒否して兵を上げました。しかし最後にはオランダ軍に捕らえられて北スラウェシのマナドへ、後にマカッサルに送られてウジュンパンダン要塞に幽閉されました。王子は1855年にマカッサルで亡くなり、ジャワ人特有の形の墓を作って葬られています。墓は市内の華人街の近く、中央市場(Pasar Sentral)北のディポネゴロ通り(Jl. Diponegoro)にあります。

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