今はなきカイリ(Kaili)料理のレストラン(中スラウェシ州パル市)
 

 中スラウェシ州の西部、州都パル(Palu)及びその周辺には地元民のカイリ族の世界です。もっとも、南スラウェシから移住してきたブギス族やマンダール族も多いのです。これまで、パルには何度も出張していましたが、取り立ててめぼしい特色のあるレストランに出会うことがありませんでした。そんななか、2000年4月下旬にパルを訪れた際、地元の友人にカイリ料理のレストランに案内されました。これが意外においしい!。パルに行かれる方は、是非お試しあれ!と思っていたら、残念ながら、2000年に閉店してしまいました・・・。
 

<写真1><写真2>

<写真1> 一番左がクトゥパッ(蒸した米。日本の正月の餅のように、断食明け大祭には必ず食べますよね)、その次の上下がマヌトゥヌン(鶏肉に香辛料をつけて焼いたもの)。上段のマヌトゥヌンの隣及び下段一番右がドゥオ(揚げた小魚)、上段一番右及び下段の右から2番目がパルマラ(魚をターメリックやコリアンダーで酸っぱく煮たもの)。 
<写真2> ケロル(マルンガイ)という名の木菜の葉をココナッツミルクで煮たスープ。

これらのおかずをトウモロコシ、トウモロコシ混ぜご飯(nasi jagung)、イモ(Ubi)、クトゥパと組み合わせて食べます。味の関係で以下のように組み合わせて食べるといいそうです。

トウモロコシ混ぜご飯には・・・ケロル、ドゥオ、パルマラ
イモには・・・マヌトゥヌン、ウタダダ(鶏肉をココナッツミルクで煮こんだスープ)
クトゥパッには・・・ケロル、ドゥオ

  

左の写真の手前の籠にあるのがトウモロコシ混ぜご飯、その左隣がクトゥパッ、トウモロコシ混ぜご飯の上がトウモロコシとイモです。右写真は、トウモロコシ混ぜご飯にケロル、ドゥオ、パルマラを組み合わせたところです。

カイリ族の主食はもともとイモやトウモロコシで、ここで出された料理はごく普通の家庭料理なのだそうです。食事の後のデザートには、サゴやし澱粉から作った本物のチェンドル(美味!)、それにココナッツミルクにヤシ砂糖と小麦粉を加えたお菓子テトゥが出ました。

このレストランを主宰しているおばさまは中スラウェシ芸術協会の会長さんでもあり、毎週土曜日の夜8時から地元の伝統音楽の演奏会などもここで開いていました。ジョグジャカルタのレセハンを思わせる茣蓙の上に座りながら、ゆったりとカイリ料理を味わえたのですが・・・。今はなきカイリ料理レストランです。
 

RUMAH MAKAN SOU TAMPILANGI
Jl. Gatot Subroto No.49, Palu, Sulawesi Tengah
Phone: 0451-453542



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